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交通事故で下半身不随になるという設定までは、事故を起こした段階で死亡されては困るので真似できませんでしたが、バスルームでの最後のシーンを再現するのは容易でした。元々再現可能な方法をシナリオに書いたので当然ですが。
ルームシェアをしていた三城実里さんは被害者として、真壁真一は最初に浮かび上がる容疑者として、恰好の人物でした。
この「同乗者の殺人」のできには満足していましたが、残念ながら、その評価を目にすることなく、私は退職させられました。
次のシナリオの構想もできたいた私は、絶望とも呼べる失意に沈みましたが、そのシナリオを、ライブ配信するという道を見つけ、喜びに打ち震えました。
誰も殺されない、新しい形の一人称視点で展開するミステリーです。
事件の目撃者となってもらいたかった速見麗奈さんは、残念ながら部屋を去ってしまいました。しかし、それは些細なことです。
最も残念だったのは、私が今なお生かされていること。あのラストシーンで死ねなかったことです。
最期に言うべきセリフが言えなかったことです。トゥルーエンドを視聴者に見せられなかったことです。
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