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第四話「お姉さん、参上!?」
月日はたって一週間…
私は、あるものに追われている。課題はすべて終わらせて、吹部の楽譜読みもすべて完ぺきにこなしたはずなのに、体が全くスッキリしないのはあのイケメンズのせい。そして、あの人のせい。
___________
「ふう…もう8時だ。やばい、外が真っ暗だ…。」
私は、今日吹奏楽部だった影響で帰りが遅くなってしまった。
コンテストを1ヶ月後に攻めているため、延滞が許されているのだ。可といっても、そんなに遅くすると部員の健康と学業が損なわれてしまうから八時までとしたのだけれど。もうこんなに暗いとは、真夏が迫ってきているにも関わらずこんなに暗いとは。部員になって二年、これくらい慣れてきたが近日の半グレを見ると…暗い空は少々気味が悪い。
ということで、今日もボディーガードさんについてもらうことにしたのだがその担当がきょう修行があるとかなんとかで正常業務を放りだしてきたのだ。
これでは、異常業務でさえ務まらぬのではないか。
ということで、一時間耐久待たされとうとう8時にになってしまったのである。私はこの時間まで残りたくなくて、部長になり延滞を少し早めたのに。これでは支離滅裂である。学校自体は全然空いてるから大丈夫だが_こんな時間まで何をしているのだろうあの赤髪ヤクザは?
「おう、すまねえ」
あっさり帰ってきやがった。
2年b組のドアを勢い置く開け、彼_赤髪のヤクザこと赤髪健は汗をダラダラと垂らしながら帰ってきた。おかげで、少し肌が透けて見えかけている。更に顔がイケメn…エロさを感じさせるな、エロさを。そうやってくだらない赤髪の体にちょっとした不快感を感じながら私は、帰りの合図をかける。
「さっさと帰るよ、てかその汗どうした。」
「ちょっと武道の特訓やってたんだよ、」
「なんで今日?」
「今日しかその師匠日が空いてなくてよ」
そう赤髪を少しずつ攻めながら、短い会話をとんとんと繰り返していく。師匠という人も、なかなか忙しいのだろうか。だったら今日のボディーガードほかの緑山先輩とかに変えてもらったら良かったのに。
「なんで今日変えなかったの?」
「それはしょうがねえ、ゴリ押しで師匠がお前に会いたいっていうから。」
マジか。
「まあ、頑張ってその願いを打ち消させたけどな。」
「はあ…そうだったの。」
そういう謎の会話を交わしながら、赤髪はちゃんと汗を拭き変える準備を終わらせていた。もちろん私も準備はとっくのとうに終わっている。
「じゃあ帰るか。」
「そうだな。」
真っ暗闇に染まった空の中、私達はふたりきりで歩き出す。デートではない。しかし、私にあいたい人なんているのだろうか。そりゃあ私のプリンセス時代のことを知っているガーデン・カントリーの人なら会いたいと思うかもしれないが…わたしの情報は隠蔽されているらしいからそれはそれで問題である。
でも、赤髪が真剣な目をしていなかったから__
そう思っていると目の前に誰かが立った。瞬きした、その一瞬で。
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