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「ええと…どのようなご要件で?」
「そんなに固くなくていいわよ、あと私のことは麗子ってよんで?んと…ゆきくんが最近隠してること、ない?」
緑山先輩が隠していること?そんな事あるのだろうか。
いつも笑顔で親しみ深く、だがかなりのいたずら好きで容易に近づくことは不可能なあの人が?
「いや…きいたことないですけど?」
「そっか…なら、いいや。ごめんねー変なお姉さんがストーカーみたいにしちゃって。じゃ、私は帰るわね。」
意外とあっさり学園長は引き下がった。
そうしてまもなく学園長_麗子さんはきた道を軽やかに走り抜けていき、去っていった。まるで風のようである。
「先輩の隠している秘密って…なんだろ。赤髪わかる?」
「よくわかんねえな、ただ。先輩が隠してるのは間違いなさそうだぜ?最近めっちゃ独り言呟くんだよな、」
“あの人は一体どこにいるのか”
「とかな。」
赤髪がポツリ、と呟く。
先輩は誰かを探しているのかもしれない。私も先輩の助けになれないかな、そう思いながら私達は暗闇の道を歩いていった。
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