第六話「赤髪のヒミツ1」

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先生にめちゃくちゃ叱られた授業が終わり時は昼休み。 生徒は屋上やら教室やら中庭やら食堂などでご飯を食べる時刻だ。だが今日は違う、私達は赤髪の尾行をするのだ。ご飯抜きで、ご飯抜きで! レノンちゃんに必死にご飯食べてからにしようと、懇願したのだがレノンちゃんが 「赤髪先輩のかっこいい姿を見ることが私の食事です!」 とか言って無理やり取り下げたのだ。そして赤髪の熱狂的なファンのレノンちゃんに連れられ、今カファテリアにいる。そこで赤髪は蓮くんとそこで食事をしていた。もちろん私も食事を嗜んだ。流石に200分食べないのは死ぬ。お金はかかったが、スパゲッティを食べながら私達はイケメン二人を観察していた。周りがうるさかったからちょっと会話は聞こえなかったが後で聞けばいいだろう。 問題は食事だ。 蓮くんはオムライス、赤髪はサンドイッチ。 赤髪が好きなものは食事に反映しているのではという仮説から、昼休みも休まず尾行を続けているのだが。サンドイッチの中身がわからない! それがわからなかったらハムが好きか、卵が好きか、野菜が好きなのかわからないのである。私達がじっと目を凝らしてみていたら、赤髪が一瞬でぺろりと食べてしまった。私達の努力を無駄にするかのように。 腹が立つ。そんな私はイスをガタリと勢いよく倒れさせ、赤髪に対しての怒りを爆発させた。 「んもー!赤髪先輩!サンドイッチをぺろりと食べるなー!」 「はああ?華乃どうしたんだよ」 その言い方も正直むかつく。 私達の関係を隠すためであるとはいえ、ちょっとその言い方も私のことを馬鹿にしているかのようで頭にくる。まあぺろりと食べるななんてそっちのほうがよほど頭にくる指摘なのだが。 「ちょっと来なさい!」 「はあ?」 とりあえず色々抗議をするに値する存在なので、赤髪を無理やり引っ張って人気のない校舎裏に回らせた。 「あ、先輩!?」 「レノンちゃんって言うの?健のサンドイッチの中身教えてあげよっか?」 一方、私がレノンちゃんをおいて校舎裏に回ったあと、レノンちゃんと蓮くん中学1年生二人組はサンドイッチについて本当の講義を始めた_。
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