4人が本棚に入れています
本棚に追加
アンティーク調にすべて揃えられた整理感のある
かと言って高級感がないというわけでもなく
そこには行灯の美しい光が混じり合っていて
そして美しき少年?たちがいた。
私が突然すぎる出来事にぼーっと、していたら誰かが走ってきた。中学生だろうか、身長が私よりほんの少しだけ小さくてでもとても顔立ちが整っている男の子がやってきて私をのしった。
「どーしたの?こんなところにやってきて‥あ、もしかして!わざわざきてくれたの!?ありがとうだよん」
「え、私はただ家に帰ろうとしていただけなんだけど」
「家!?あそこに帰るのはやめといたほう」
「おい、お前女か?だったら、こいつに話しするんじゃねえぞ。こいつ純粋すぎるから。」
「!?ボクのことがなんだって…?もう一回話してみてよ」
「…。はあ。一体さっきから何なんですか。」
確かに最初に話しかけてきた彼は純粋なオレンジ色の目をしていた。更に、顔までも怒りが煮え切ったのかオレンジ色になりつつある。そして幻覚だろうが、犬の尻尾と獣耳が生えているような気がした。もう一人の彼は…なんというかヤクザ歴十数年のベテラン感を醸し出している。だとしても、急に犬に家に行くのを反対され、割り込みヤクザにこの犬は純粋だから話しかけるなと言われている。更にここは廊下ではなく謎の部屋。もうこの状況がついていけなかった。
「一体何なんだって…お前、自分からここに来たんじゃないのか?」
「は?」
「え?でも、先輩が…まさか?あー、なんか済まねえな。多分、お前いたずら先輩の被害にあったんだと思う。でもまあここに来ちまったんなら、説明は必要だよな。ここは_異世界と現実を繋ぐ扉の存在である部屋、繋ぐ扉っていわれてるところ。」
そうやって赤髪のヤクザは当たり前のように髪をかきながらいう。
繋ぐ扉…あながち間違いではなさそうな命名だ。私が入ってきた扉以外にもたくさんの扉がある。
金ピカに彩られた扉、花が沢山かあってある自然感を醸し出している扉、お化け屋敷のような血がたっぷり塗りつけられている扉…ここには多種多様な扉があるのだ。
「でも_一体、私がなぜここに先輩のいたずらでこさせられたんですか?」
「そりゃあ、お前が_異世界の落ちこぼれプリンセスなんだからよぉ。」
赤髪のヤクザがきだるそうにそう、言い放つ。
嘘だと信じたかった出来事が今起こった。この私、地味子代表であり地味子のことをよくわかっているはずの根っからの地味なやつは_実は異世界プリンセスでした。それも落ちこぼれ。そんなオチなんて、いらない。でも、嘘ではなかった。悲しいことにね。
最初のコメントを投稿しよう!