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「ぐはっ」っと、半グレ野郎たちが倒れる声。
「ひいっ」っと、怯える半グレ野郎の声。
すべてを飲み込むかのような静けさは、逆に騒がしさに飲み込まれてしまっていた。十分もしないうちに、数百人はいたはずのほぼすべての敵は倒れて残りはボスと言われたものだけとなった。
「い、命だけはお助けを…。」
「あのですね、この人たち全員死んでるわけないじゃないですか。いいですか。もうこんなことはやめてください。そして、優樹菜さんのことをもう一度襲ったら私が全力であなたを潰しに行くと思っておいてください。わかりましたね?」
「は、はひぃ…。」
私がぼうっとしているうちに、すべての目の前の出来事が終わってしまっていた。先輩にそんな戦闘能力があったとはいざ知らなかった。まあ今日知り合ったばかりだし。
「ふぅ、ここはあと執事さんたちに任せますか…。優樹菜さんも困ったら叫んでくださいね、私達が一目散に片付けますから。」
言っていることがまず怖いな、この人。
とにかく、終わったことだし…かえるか。
「いや、ちょっと待って。いま執事って言いいましたよね、先輩!?あなたは一体何者なんですか、今の格闘技といい何といい!?」
「すべて声に出ていますよ、まあそれは帰りながら話しましょう。ほら、もう夕焼け空が見えてしまっています。」
「あー、はい。」
生半可な返事をしつつ、私達は帰路につきながらいろいろな話をしていった。
緑山先輩は実は、学園長の弟だということ。
ガーデン・カントリーのこと。
姉の愚痴。特に、女装が一番いやらしいこと。絶対先輩似合うと思うが多分これ言ったら、私の魂はお墓に行くと思う。
_そして、ガーデン・カントリーに伝わる伝説のこと。
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