序章_ある執事が遺した遺書

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序章_ある執事が遺した遺書

  ガーデン・カントリーという名の異世界は知っているのだろうか? 人間界からは、直接普通の人間は行くことができない、遠くて、でも近いような異世界。そこは緑豊かで人々も魔物も仲良く暮らすようなそんな美しきところだった。誰もが認める異世界と言ったらここだと言いたいくらい、私達執事も誇りに思っていた。 しかし、そんな繁栄は千年の時を持って終了してしまう。 原因は明らか、王が異国_人間界の女と結婚したからだ。国民たちはみなそのことを黙認していた…自分たちも人間界には興味があるのだから仕方のないことだと。今思えば、彼ら彼女らの心があってこそガーデン・カントリーは成立していたのかもしれない。 だがもう過去を振り返ることはできまい。先に進んでいこう_。 そして、国民は黙認をしたのだが女王は黙認しなかった。本来王というものは、数人の女王と暮らすのだがこれに限っては女王が許さなかった為やめてきたのだ。しかし、欲望は尽きまわるのか結局作ってしまった。そんな奥に女王は激怒し、異国の娘も奥もその間に生まれていたはずの赤子もすべて追放した。更に黙認した国民を苦しめるかの様に、自分で独占政治を始めた。 ここからガーデン・カントリーは壊れ、今では廃墟だ。だが、財産は全てある。国民や他の異世界から取り立てたもの。この女王がなくなり、後継ぎの少年が少し政治をしていた間はまだ良かった。 だが_これからどうなるのかは、私にもわからない。 あの二人の間に生まれた赤子も、今元気にしているだろうか。彼女は、彼女の未来は破滅的だ。最後、闇にまみれたガーデン・カントリーの操り人になってしまうのだ。自分を操られて。私は未来を見ることができる_だが、もう変えるほどの余力はない。あとは、私の友人が作った彼女を守り、未来を変えるための守護者(ボディーガード)たちに任せるしかなかろう。 最後に言っておく、運命は、努力だけで変えられはしない。 だが、自分の意志があれば必ず変えられる_そう信じている。 神よ、どうかあの彼女(シンデリーナ)様が、主人様が幸せに慣れますように。
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