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■  チヒロは一時間ほど喋ったり喋らなかったりして、羽休めすると、すたこら去っていく。不必要に居座ることなく、案外とあっさりと。  だからかもしれない。  きっと、たぶん、絶対にそのせいである。  初めは窓の外に大きな羽をみつけるたびに、モモナとて盛大にびびっていた。それがいつからか、次第に徐々に、じんわりとチヒロの存在が日常に浸透しつつある。  いまではもう習慣、あるいはルーティン、はたまた生活の一部になりかけている。  慣れつつある自分がちょっぴり怖い。  嘘だ。だいぶ、かなり危機感を抱いている。  抱いているというか、もはや両手で抱えなければならないくらいの大きさに膨れ上がっていた。  慣れってやつは、恐ろしすぎる。  望んでいなくても、自分の体は適応している。  夜が深まるにつれて、明らかに時計を見る回数が増える。ああもうそろそろか。無意識のうちに、そんなことを思ってしまう。  いつもよりほんの少しでも時間が過ぎると、いつ来るのかとそわそわして、作業する手が止まる。不協和音がひととき途切れる。  不自然な無音のなか。 「……」  そろりとベランダに目が吸い寄せられるのだ。  その事実に気付いた瞬間、戦慄した。  疑いもなくモモナの認識に溶けこみかけている証拠だった。あの子の来訪が当然だと。チヒロが、自分の普通になろうとしている。  これは、まずい。非常に。かなり。  どうにかしなければ。そう強く危機感を抱きしめながらも、なあなあと本日にいたっている。愚かな先延ばし行為だった。  知っている。あとから後悔すると分かっている。分かっているのに、たったひとことが重苦しかった。 「迷惑なのでもう来ないでください」そのたったひとことが喉に引っかかって、出てこなかった。  言わなければ。  そう声にしようとしては、いつだって臆病さから唾へと変わる。  たぶん、染み付いてしまっているのだ。  誰にでもいい顔をしなければならないという意識が。いや、いい顔とは違うかもしれない。  他人の不機嫌さがこちらに向くことをいっとう嫌っていた。それがどんな相手だろうと。  たとえ金輪際、二度と関わることがないだろう相手であっても、自分の言動が相手を不快にさせることが嫌だった。  それに生じた相手の感情を感じとることがストレスで、いつまでも記憶にいすわる。そんなもの切り捨てたいのに。  そのほうが楽なのに。 『え、どうでもいいやつの機嫌とか興味なくない? 気にするだけ無駄じゃん』  それができないから、こうして首が締まっているんですよ。  あのひとには分からない感覚らしい。  とんと理解できないという瞳と声と反応だった。ややして、『ふぅん、ほんと生きづらそうだね』とさほど興味のない相づちが返された。  どうでもいいと気にしなければいい。  分かるよ。そうだ。そう思う。なのにできない。どうしてなんて、聞かれても困る。どうしてだろう。  いちばん教えてほしいのは自分だった。  だから、こうして本日にいたるまで決定的な拒絶もできず、チヒロの奇妙なパトロールという名の訪問は続いている。  良いのか悪いのか、期間が長引くほど、気付くことが増えていった。チヒロが決まっていつも汚ないベランダにいるのも、そのひとつ。  そう、なぜだか、彼はけして室内には入ろうとしなかったのだが。 「モモナさん卵焼き食べたことないの……? うそお」  それが崩れたきっかけは、卵焼きだった。 「……ぐちゃぐちゃ卵ならあります」 「ちょい待って。それ、スクランブルエッグのこと? え、待ってかわいいんだけど」 「……え、……どこが?」  意味が分からず一瞬モモナの時間が止まった。  何言ってんだこの子は。  ギョッとしてチヒロを見るも、一秒後には答えが分かってしまい、しょっぱい気持ちになる。どうにも本気っぽい面持ちをしているのだ。  これには、まじかアと天を仰いでしまう。  仰いださきには、解決策など書かれてない。真っ暗な天井に、わずかな細い光が散らばっている。月のそっけない光が模様を作っていた。 「ぐちゃぐちゃ卵って……えーかわいい」  ほんとうに何を言っているのだろうかこの子は。  信じられないとばかりだった。絶滅危惧種を見つけたような驚きようだったものだから、少ない抵抗のつもりでの発言が、どういうわけだか脳内変換されてしまった。明らかに変換ミス。  はじきだされた言葉は、文面だけみると軽薄というか、言葉を選ばなければチャラいのひとこと。  ただし艶っぽい含みは欠片もなかった。  何というか、犬猫を愛でるときの言い方だった。ただまあそれにしたって心配になった。  なぜって、予測ができてしまう。 「チヒロくん、」  この子、そうやって人を誑かしているんだなあ、と。 「刺されないようにだけ気をつけてくださいよ……」 「え、それ暗にテメーを刺すぞっていってる? こわいんだけど」 「私は無自覚なのが怖いんですが」  これは、無意識に言ってそうだ。本人にその気はなくても、周りがそうではない。そんなつもりじゃなかった、ということが想像しやすくて怖い。  あり得そうすぎる。  もっと自分が人からどう見られているのか意識してほしい。切実に。  なのだが冗談だと思われたらしく、流された。「じゃなくてさ! 卵焼きのはなしね!」と戻されてしまった。モモナの卵焼き事情などより、よっぽど重要なのに。  はて、どうだったか。  おぼえてないだけであったかもしれない。そう思い、記憶を探そうと視線が上向く。しかし数秒とたたずに、答えはでた。  ない。巻いて、液を注ぎたして、巻くという。人生でそんな余裕などなかった。  それに、ぐちゃぐちゃ卵も目玉焼きも卵焼きも、同じじゃなかろうか。どれも結局は卵にかわりないだろうに。  そう主張した。  のだが、それがよくなかったらしい。 「俺がモモナさんに卵焼きを教えてあげなきゃ……」  どうして謎のやる気に満ちあふれているんだろう。何だか大ごとになっている。別にそれほどのことでもないのに。  「え」「や」「あの」だとか、どれもこれも意味のある言葉にならない。  慣れてないせいだ。会話というのは瞬発力が必要なもので、普段会話らしい会話をしていないモモナにはめっきり足りないものだ。  結局、温度差を解消できぬまま、圧におされて、「モモナさん!」「え、は、はい?」「ちょっとお邪魔してもいい?」「あ、ハイ」と了承してしまった。押しに弱すぎる。  そもそも、別に入られても問題はなかった。  モモナの方から室内に入ることを嫌がったり、拒否したことはないのだ。  「おじゃまします」ときっちり言葉を添えて、長い脚でひょいと一跨ぎ。あっさりと部屋にチヒロは足を踏み入れた。その様子を、律儀だなあなんて他人事みたいに眺めた。  玄関ではなく窓からというところが、アンバランスでチヒロらしい。  え、いや、待てこの子らしいってなんだ。  そう感じたことに気付き、また警報が鳴った。脳内ではビビットな赤色が喧しく点滅している。 「モモナさーん、キッチン借りるね?」 「……ええ、はい、お好きにどうぞ。というか、あの本当にいちいち許可とかいらないんで……お好きに」 「モモナさん俺のことそんな無礼なやつだと思ってんの? ショックなんだが」  家主に断りなく勝手に使ったりしないって。そう軽く続けられる言葉に、首を傾げる。こてん。  いやそういうことではなくて。 「いや、そもそも私のものじゃないってだけですよ」 「ン?」  途端、ぴたりとチヒロの動きが停止。  それからくるりと振り返る。羽が揺れる。室内では窮屈そうにみえた。首が四十五度ほどかたむいていた。 「私のものじゃない?」 「え、はい」 「あー、知り合いの名義とかで借りてるってこと?」  違うと否定する。そもそも知り合いなんていない。これまた「ンン?」と首をひねるチヒロ。  視線を絡めること数秒、分からないなりに互いに察した。何か食い違ってんなあと。  どうみても噛み合ってない。 「なんでって……、私のものじゃないので」  説明はこれでおわりだ。なのに、どういうこと?と続きを促されて困ってしまう。  なぜと言われても、そんなの。 「全部、いずれは返すことになるからですが……?」  ほんとうに、ただそれだけのことなのだ。  ぐるりと視線を滑らせる。小さなテーブルも、布団も、スマートフォンも。どれもこれも。いずれは、借金返済に押収される。  ここは表向き高層マンションであり、従業員の社宅だ。  といっても、裏のそういった関連のフロント企業だが。表向きはクリーンなので、普通に事務作業で定時上がりということになっている。  ただまあ帰宅したところで、待っているのはこの解体業務。つまり、モモナの生活は一から十まで借金の返済のための労働でできている。  モモナが死んだ場合、全て差し押さえられ、微々たる金へと変わる。体さえも。  わりと健康なので、臓器も使えるものは残らずどこぞへと売り捌かれるのだろう。  そう決まっている。  モモナだけのものは、ひとつもないってだけ。  なのだが。 「……ひとつも、ないって」  まずったなと思うも遅い。  今日はイッセイとひさしぶりに会話をしたので、ことさら疲れている。不仲なわけではないが、お互いにうっすら嫌いなのだ。ただ世話になった相手でもあるので粗末にもできない。  何という見事な悪循環。  何と言えばいいのか。言い淀んでいると、チヒロがはっとばつの悪そうな顔をする。 「あー…ごめん、聞かれたくないことだった?」 「え、あ、違くてなんというか。あー……その、」  全容はこれなのだが、説明するには長すぎる。それに、喉が痛い。なので、こうひとことにすべてを押しこむことにした。 「ほんとうに、社宅というだけ……なので」 「……前から思ってたんだけどさあ」  一度区切って、それから言いにくそうに続けた。 「モモナさんて嘘つくの、その、向いてな……へたく……えと、無理あるからやめたがいいよ……?」  「キッチン借りるね」とつぶやき羽が向けられる。一拍遅れて気付く。  アレ、何だか失礼なことを言われた気がする。  生活の音がしはじめた。不思議な感覚でちょっと居心地が悪くもある。けれど、ほんの数分だった。 「おまちどおさま」 「すごい……」 「へへ」  視線は釘付けである。まあるいフライパンのなか、真ん中で堂々と鎮座する卵焼き。つやつやだ。湯気が暗がりにそろりと浮かんで、白い線が伸びていく。  月みたいだった。  あまりにも鮮やかなパステルカラーの黄色だったから。  まるで本物だとは思えなかった。 「……食品サンプルみたい」 「えへへ、でしょお? 自信あんだよねえ、卵焼きだけはね」  ぼうっと見つめてしまう。もの珍しくて。  どうぞ、と。促されてしまっては断ることもできず、箸を握る。  出来立ての卵焼きを口に運ぶ。  途端に、穏やかな出汁と卵でいっぱいに広がる。  少しの甘さは、砂糖っぽい人工物ではなくて、出汁と卵のものな気がした。なめたけが入っているらしい。気付いてしまえば、白米がこいしくなる。  こいしい? こいしい、という言葉が舌の上にとどまった。数秒後、もぐもぐと口を動かしつつ、そうかと頷く。  妙な気持ちだった。自分がこんなあたたかな人の手料理を食べているということが。  罪悪感だとか、良心の呵責だとか、そういったものはとっくに過ぎ去っていた。  見下ろしたとき、いつの間にかモモナの手のひらは空っぽだった。たぶん、どこかに落としてしまったのだと思う。  それでもただこうして、不思議な気分にはなったりする。  遠近感が狂う、ような。  本当にそうなのだろうか。違うような気もした。同時にやっぱりそうかもしれないとも思う。いやどうなんだ。  さっぱり結論は出なかった。  絡まりまくったコードみたいに、浮かんではこんからがっていく。ぐちゃぐちゃな脳内とはうらはらに、操られているみたいに、するすると卵焼きに箸が伸びる。自分の手のはずなのに、感覚がぬるい。  ふと、何だか視線を感じた。  見上げると、微笑ましげに見守られているではないか。小さな子を見守るような生あたたかい熱が額にぶつかる。チヒロのほうが歳下なのだが。  いたたまれなくなって目を伏せる。  逃げた先で、卵焼きのパステルイエローに視界が奪われた。何度見ても食品サンプルみたいだった。 「モモナさん、どうでしょうか?」 「め、」 「め?」 「……め、ちゃくちゃおいしいです、とても」 「んならよかったです」  そわりと皮膚がちりつく。内蔵が引っかかれるような感覚がした。  温かな食事、柔らかな眼差し、ゆるやかな会話。  どれもこれもが不似合いで馴染みのない。ずいぶん遠いものだった。  座りがわるくて、無意味にも体が揺れる。 「……なんで」  箸をもつ手が止まる。 「な、んでこんなに」  言葉が途切れる。意味のない質問だと気付いたから。聞いてどうするというのだろう。  なんで、この子がこんなにもよくしてくれるのか、なんて。聞いて何が変わる?  安心を得たいだけの確認だった。  あるいは失望したいのかもしれない。さっさと見切りをつけて、線を引きたい。 「ンー俺ってさ、こんなんでしょ」  なんで、と。真似るようにつぶやくと、ぱちりと目を丸くする。ややしてあぐらをかいていた片足を立てて、頬杖をつく。  こんなん、と示すのは羽のことだろう。 「だから、まあばれないよう暮らしてるわけね」  普段は擬態して生活しているけど、たびだびこうなる。あ、べつに四六時中こんな羽があるわけじゃなくて、なんだろ、なんかそういう一族。てか体質?  一定の年齢なると、自分の意思で出したり隠したりできるようになんだけど、 「なるらしいんだけどさ、」  一拍おいて、ゆるく唇が笑う。 「俺はうまくできないタイプっぽくて。いわゆる突然変異体?」  色々言われてきまして、化け物だの、食われるとかね、いやあんたみたいのは食わないから。こっちにだって選ぶ権利あるっての。失礼だ。  あんたみたいな、ってことは、場合によっては食べるときもあるということですか?  疑問が浮かぶも口には出せない。  体温が箸をつたって皿の上へとすべり落ちていく。余計なことを口走りそうになる。代わりのものをぽつんと申し訳程度に呟く。 「……チ、ヒロくんにも」 「うん?」 「チヒロくんにも、権利はありますよね」 「ねー、俺にもあんのにね」  そうですね、の薄っぺらな相槌が空気に紛れる。 怖い、と漠然と思う。  想像にかたくない。少数のものは、疎まれる。排除したがる傾向にある。どうしても。未知のものは怖いから。  ――ひどく怖かった。  納得してしまいかけた自分が。しょうがないと思いかけたことが気持ち悪い。 「でも、モモナさんは怖がらなかったし、それどころか羽休めさせてくれたし」  違う。そんな、 「普通に、やさしくしてくれたから」  ゆったりと、ナイフが押しこまれた。  柔らかな卵の匂いが、毒に変わる。  違う。心臓が気持ち悪い。かきむしりたくなる衝動に、咄嗟にジャージの上から足首に爪を立てた。ささやかな力すぎてたいして効果はなかった。  唇に歯を立てる。ぎ、と八重歯が鋭く突き刺さる。そのおかげでかろうじて正気を保っていられた。 『やさしくしてくれたから』  それでも耳奥には穏やかさをまとった言葉がまとわりついている。 「だからさ、」  そっと顔を上げて――心臓が止まった。 「そういうことにしといて」  やさしい瞬きのなかに、自分がいた。  そういうことにしといて。  それは、これ以上訊かれると困るということだ。隠しごとがあるということだ。何か打算があるのかもしれない。少し寂しくて、それ以上に安堵した。  理由のない親切なんて恐ろしい。この世でもっとも信用できないものだから。  なのに、どうしてだろう。 「そ、ですか」 「あ、ぜんぜん信じてない顔だ」 「いや、そんなことは」  ある。もちろん言えやしないので、曖昧に否定する。チヒロはしょうがないなあというふうに、笑う。 「さっきも言ったじゃん。モモナさん嘘つくの下手だって、でもまあ、いいよ」大げさに仰け反りつつ、眉を下げる。ふわりと羽が揺れる。なんで、と問いかけそうになり、またもや慌てて飲み込む。  けれど意味などなかった。 「そりゃ好きなひとにはやさしくしたいじゃん」  いつもより距離が近い。二人分くらい先に穏やかな笑みがある。  だから、明瞭に耳に届いてしまった。  やっぱり室内に入ってもらったのはよくなかったかもしれない。そう気付くも手遅れだ。  はっきりと、柔らかな言葉が鼓膜に溶ける。 「恩人には頭あがんないし、だからなんでも言ってね。つっても、モモナさんには難しいだろうけど」  やだなと思う。予感が、蠢いている。  服のうえから引っ掻かれる。  皮膚の内側をくすぐられているみたいな、密やかにゆらめく予感だった。  あー、なんか恥ずいこと言った気がする。ア!もう食べない?んじゃどこかラップとか包んどくね。  慌ただしく立ち上がってキッチンへと向かうチヒロは、すぐさま「ね、このジップロック使ってもいい?」と戻ってくる。不明瞭に、微かに頷きを返す。返すことしかできなかった。  ちゃんと、頷くことができたのか不安だったけれど、伝わったようだった。  自分以外の誰かがいる。それだけのことだ。  なのに、思った。ハッピーの最中にいるって。  どれだけど真中にいたって、視界のさきには終わりが掠めているのに。  かぎりなく底辺に近い道を歩いてきた。そしてこれからも歩き続けるのだ。これは悲観ではなくて、ただの現実で、とっくに受け入れている。  受け入れることができた、のに。 「チヒロくん、」  てきぱきと袋に卵焼きを移すと、ン? とこちらを向く。チヒロは話すとき、必ず目を見る。  真摯に、素直に、聞くよということを言外に伝えてくれる。それが、いまのモモナには少し痛い。  視線を合わすことができなくて、テーブルに逃げた。食べかけの卵焼きが真空にあった。袋に入れられた月が落ちていた。  手にすることなんてなかったものが、すぐそこにある。それだけで、いいと思えた。  思わなければならない。 「ひとつ、お願いがあります」  卑怯なことを言う。 『恩人には頭あがんないし、だからさなんでも言ってね。つっても、モモナさんには難しいだろうけど』 「……許すって、言葉だけは言わないでください」  なにがあっても、ぜったいに。  すぐ近くで吐息が揺れる。相変わらずモモナの視界に映るのはテーブルと月のままだった。  困っているだろうな、ということが分かる。  そりゃ困るだろう。当たり前だ。意味不明だし、なんの話? って感じである。申し訳ないなと思う。  それでも、かさついた唇で言う。  何だか、祈るような声がひどく、 「きしょくわるいから」  誤魔化すように、必死に、ジップロックに幸福をかき集めた。
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