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「バイバイ」  陸に告げられた別れの言葉を、そのまま陽太に投げかけながら、彼の肩を押した。  バランスを崩した彼は、そのまま吸い込まれるように下へ落ちていった。  彼の身体が地面に打ち付けられる前に、あたしは来た道を引き返した。  雨の音が、拍手のように鳴り響く。拍手喝采とは、このことを言うのだろう。  よく考えれば、陸が最後に会った人物はあたしだ。陽太じゃない。  陸は、あたしだけに、別れの言葉をちゃんと告げてくれた。  陸のあの言葉を、陽太なんかに言ってやるんじゃなかったかもしれない。  でも、いいや。もう終わったんだ。
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