四章 朝倉 陽太の手紙(1)

3/10
前へ
/209ページ
次へ
 俺達が出逢ったのは、中学二年の春だったな。  教室の入り口のところで俺が声をかけたのがきっかけだったよな?  あの時の陸はまともに目も合わせてくれなくて。いつも短い言葉で返答して、顔を逸らして、これ以上踏み込ませないように常にバリアを張ってた。  でも、俺はそうされても諦められなかった。  陸の絵がもっともっと見たくて、俺はしつこく声をかけ続けた。本当、よく嫌われなかったな、って思うよ。
/209ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加