堕天使日記

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 なぜ、天使である私が、人間のために、働かなくてはならないのだ!  思いが先走るあまり、前の日記が嘘のようになってしまいました。でも、こればかりは仕方ありません。  私の仕事はレジでの接客です。たくさんの人間を目にします。  誠意を持って、店員として望ましい態度で働いています。ですが、人間同様に変わった肉体に慣れず、業務は思った通りにこなせません。  ああ、神様! 日本には忍者が生き残っています。少し目を離せば、音も無く客が長蛇の列を編み出すのですから!  もたもたしてると急かされます。私は好きでノロマになっているのではないのに。  他にも、私は一人の客に「袋はいりますか」と聞きました。 「見りゃ分かるだろ。いらねーよ!」下品な男の声が答えます。  気付かずとも、あの人間の目の前には天使がいるのに、思い出しただけで虫唾が走り出す振る舞いです。  堕ちても私は天使です。こんな者に平身低頭する日々……何たる侮辱!  ですが、耐えてみせます。ここまで辛いのなら、きっと神様による試練なのでしょう?  それに、あのような人間はきっと地獄行きです。天使が関わる存在ではないのです。
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