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 翌週の土曜日は、土砂降りだった。ニュースを見ると、台風が近づいているらしかった。  わたしは、いつもの遊歩道に行かなかった。マリも家にいると思ってたので、わざわざチャットで連絡しなかった。  マリは今頃何をしているのだろう。やはり、あの図鑑を読んでいるのだろうか。  わたしは考えてもしょうがないと思い、スマホでマンガを読み始めた。 「――ねぇ、ちょっといい?」  青い顔をした母が、わたしの部屋に入ってきた。 「どうしたの?」 「マリちゃんがどこにいるか、知ってる?」  ドキリ。ついさっきまでマリについて考えていたので、心臓が跳ねた。 「……どうしてそんなことをきくの?」  なんてことない顔をして言おうと思ったのだが、声が若干震えてしまう。 「マリちゃんのお母さんから連絡があって。家にいないから、こっちに来てないかって聞かれたんだけど、いないわよね」 「うん、今日は天気が悪いから遊ぶ約束をしなかったよ」  たしかに遊ぶ約束はしていなかった。 ――だけど、嫌な予感がする。  わたしは先日マリの話していた秘密を思い出した。  もしかしたらマリは、小鳥の巣を守りにあの遊歩道へ行ってしまったのではないか……?      
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