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Episode3
次の日、また私はイライラした気持ちを仕事に込めていた。
そんな事して仕事が雑になってしまってはいけないので、苛つきながらも仕事は三重くらいチェックした。
本当、なーにが『愛されてますって表情でも出来るようになっとけば?』よ。
実際もう愛されることなんて無いんだから出来るわけ無いでしょ。
そちらみたいに詐欺師並みの演技力なんて持ってないし。
本当ムカつく。
「花咲、Enter壊れる」
隣の席から苦笑い気味で指摘してくるのは、一つ上の先輩の篠谷 仁先輩。
「は、ごめんなさい。うるさかったですよね」
知らない内にEnterキーに八つ当たりしてしまっていたらしい。
恥ずかしくてごまかすように1つ咳払いをしてごまかす。
「彼氏と婚約できて幸せですって顔じゃないね。何かあったの?」
「はは、ちょっと喧嘩して…」
苦笑いして答えて、気まずくなる。
喧嘩とかそんな微笑ましいものでもなければ可愛らしいものでもない。
喧嘩は分かりあいたいからするものであって、私達は分かり合えないと答えが出ているのだ、分かり合えるはずがない。
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