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御手洗を家に招き入れてから一時間が経とうとしていた。二人は、私の知らないゲームの話で盛大に盛り上がっている。
マニアックすぎて話しに入っていけそうもなかったから、私はひたすら無言で肉焼き係をしていた。
スーパーで会った時の御手洗はスーツを着て前髪を上げていたが、今は全身カジュアルな格好。黒の無地パーカーを着て髪も下ろしている。そのせいか余計若く見えた。
「紫乃たん~、ビールちょーらい!!ビール!!ミタライさんも、もっともっと飲んでよ!!」
「……ビールもうないから」
「へっ?ほんなら、チューハイ出してあげて!!チューハイレモン~」
健は、トローンとした目に呂律も怪しい口調になっている。酒は控えめにすると言った言葉を完全に忘れているようだ。
「チューハイも全部なくなった。お酒弱いくせに飲み過ぎね。」
「まじで??まぁいいや~。てか、こんなにゲームの話できる人は初めてだわ。ていうか、ミタライさんって、めっさノリいいれすね!!なんか、もっと無愛想で、大人しくて、暗いひとかと思ってたわ~。エレベーターで一緒になっても、なーんか話しかけづらかったんだよね~。話しかけるな光線みたいなのがめっちゃ出てたし~」
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