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二人の話し声が途中から聞こえなくなっていたから、帰ったと思っていたのに期待は裏切られた。 健はリビングのソファーで爆睡していて、御手洗はキッチンテーブルで頬杖をつきながらスマホをいじっていた。 「あの、御手洗さん……」 「旦那さん、よく喋りますね。いつもあんな感じなの?」 御手洗はスマホ画面に視線を落としたまま私に話しかけてきた。ここは、私の家のはずなのに何故か御手洗の家にいるような錯覚に陥ってしまった。 「……ごめんなさい。お酒飲むといつもあんな感じで。明日説教しときます」 「俺に似てる人がいるって言ってたよね?もし、その人に振られてなかったら健さんとは結婚してなかった?」 「え?」 「もちろん、結婚してなかったよね?」 「…………」 「ごめんね。俺、思ってることは言わないと気がすまないやつだから。」
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