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第0章 序章。
織田信長「武田を滅せる事は出来ぬ?そなたは余の嫡男ぞ?いつまで甘えた考えを持ち合わせておる?」
時は西暦1582年の事、
織田信長は嫡男である信忠を叱りつけておりました。
信忠「松姫は僕を怨むのでは?誰に怨まれようと構いませぬが松姫に怨まれてしまうのは…この身を斬られてしまうくらい辛いことでございます。」
織田信長と生駒類の間に産まれた嫡男
織田信忠は既に織田の家督を譲られておりお館様と呼ばれております。
織田信長「そなたは今は亡き吉乃によく似ておる。愛する者への想いが強すぎてその想いに溺れてしまうところである。」
信長が口にしている吉乃とは信忠をこの世に産んだ母親のあだ名ではありますが安直過ぎて信忠自身はこの呼び名を気に入っておりません。
織田信忠「母上は吉乃ではなく類ですし吉法師の女だから吉乃とは安直過ぎて僕は好きになれませぬ…」
信忠の想いを聞いた信長ではありましたがこの後まさかの発言をしました。
信長「ぬるい!そなたの言葉には何も熱量を感じる事が出来ぬ。天下を取ろうとしている織田の当主ならば熱量を増やせといつも口にしているのだが…それが分からぬとは史上最悪のたわけ者ではないのか?」
熱量を増やせ…だの…熱量を感じる事が出来ぬだの言われても信忠には信長が口にする言葉がたまに難しすぎて理解に苦しむ事がありました。
信忠「熱量を増やせとはどのように増やせば良いのか僕には分からぬ…。勝家、どのようにすれば良い?」
但し…それを聞いた相手にも問題があるようでこちらも首を傾げており…
柴田勝家「熱量とは志の高さではないのかと思いますがどのようにすれば良いのか儂にも皆目見当が付きませぬ…」
2人の頭の中に存在する疑問符は、
増える一方でございました。
熱量とは…一体どのようなもので、
信長は…信忠に何を求めているのか…
分からないままの信忠ではありましたが1つだけ分かる事がありました。
それは…
信忠「許されぬ恋だとしても僕は、
松姫に出逢えた事実だけは否定したくないと思っている。」
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