イケメン同期に迫られて困ってます

2/31
前へ
/279ページ
次へ
───確かに。 「私に彼氏でもいれば良かったんだけどねー。社内じゃ仁が猛烈アピールしてるから、だぁれも寄って来ないしね」 恨めしげに、仁を睨みつける。 「ったりめーだろ?社内の奴に持ってかれるとかあり得ねえし。だったら、俺でいいじゃん。つーかその睨み……可愛いだけだそ」 言ってる自分が照れてる。 あんたの方が、よっぽど可愛いよ。 「───から」 ボソッと呟かれる。 「え?」 「俺、マジのマジで本気だから。 お試しに付き合うとか、絶対ねぇから。 お前も、軽い気持ちで俺にOKするなよ」 ふふっ、と思わず笑ってしまった。 「なに自分でハードル上げてんのよ」 「いいんだよ。郁さん、俺ももう一杯」 照れて不貞腐れたように、一杯目のジョッキを飲み干し、空になったそれを郁さんに差し出す。 こうやって横で見てても、かなりイイ男。 背は180あるし、髪型もシアベージュのツーブロックで緩くパーマがかかって甘い印象だ。 眉と唇がワイルドな印象である反面、目鼻立ちが綺麗で、全体的には男らしい格好良さだと思う。 今までにも相当、女性経験はあるだろう。 だからこそ、OKなんて出来ない。 「ねぇ仁」 端正な横顔に問いかける。 仁が一瞬ドキッとしたことが、あからさまにわかって口角が緩んた。 「もし私が仁と付き合う、って言ったら、あんた私の何番目の男になると思う?」 「な、、っ。 まぁ…そうだな。一桁だったらいいと思ってるけど」 はぁ。予想通りの返答。 「じゃあさ、仁は?付き合う、ってなったら、私は何番目の女になるわけ?」 「えっ」 驚きの表情。 「あーー…数えたことない。 付き合ってたのかわかんない子もチラホラいるし」 「うわぁ」 郁さんと2人、軽蔑の眼差しを送る。
/279ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5665人が本棚に入れています
本棚に追加