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「ねぇ、今度の連休って1週間くらいあるじゃん、そのどこかで旅行に行きたいなって思ってるんだけどどう?」
「あ~ごめーん。その期間、梨花と海外に行った友達に会いに行こうって話してたんだ。せっかく予定を考えてくれたのにごめんね。」
「そっかぁ。俺振られちゃったな。」
「ほんとごめん。」
しょんぼりする美祈に
「冗談冗談。いや、連休を美祈と一緒に過ごせないのはさみしいけど、俺は恋愛に依存せず美祈の自分を大切にするところも含めて好きだから。気をつけて行っておいで。」
翔太はそう答えた。
「うん、ありがとう。その代わり、翔太のお土産は奮発するね」
「お!それはよろしく」
そう言って笑い合う二人の時間は幸せそのものだった。
美祈は、そんな幸せを感じながら、外に幸せを求めていたかつての自分を思い出していた。きっと当時の自分であれば、菜月に会いに行く予定をキャンセルしてでも、翔太との予定を優先しただろう。でも、今は、もう誰かに頼ることなく、自分のやりたいと思う事を優先している。そんな自分に満足していた。
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