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第1章:カフェテリアの三人
「はぁ。幸せになりたい。誰か私の事幸せにしてくれないかなぁ」
大学のカフェテリアで佐々木美祈はそう言って机に突っ伏す。
「そうだねぇ。」
「菜月は彼氏いるから幸せでしょ!」
「ん?まぁ、そうかもね?」
「このリア充め。リア充に彼氏なしの気持ちなんてわからないでしょー!!」
「しーっ!美祈、声が大きいって。」
「まぁまぁ落ち着きついて。そういえばこれ知ってる?“天使チャット”っていうアプリなんだけど。」
そう言って、梨花が見せてきたには、「天使チャット」と呼ばれるアプリについての検索結果だった。
佐々木美祈と栗林菜月、富田梨花は大学に入学してから、ずっとお昼の時間はこのカフェテリアで一緒に過ごしている。美祈は二人と過ごすこの時間がとても好きだった。世間知らずで純粋な彼女にとって、菜月と梨花は全く違うタイプの友人だが、その違いがかえって心地よいバランスを作っていた。
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