第1章:カフェテリアの三人

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田舎育ちで純粋な美祈は、まだ都会の生活に完全には馴染めていなかった。大きなメガネをかけた彼女は、内気で世間知らずなところがあり、他人の意見に流されやすい一面もある。例えば、友人たちの話に無理に合わせてしまうことが多く、自分の意見をしっかりと主張するのは苦手だ。そんな美祈だが、彼女の誠実さと優しさが自然と人を引き寄せ、周りに愛されている。少し危なっかしい行動をしてしまうこともあるが、彼女の無邪気さや、世間から浮き立つ純粋さが彼女をどこか放っておけない存在にしている。 「あー、それ聞いたことある!幸せになれるとか言ってる、あれでしょ?美祈ちょうど良かったじゃない」 菜月が悪戯っぽく笑いながら、軽く美祈の肩を叩いた。美祈は驚いた表情で目を瞬かせる。 彼女の自信に満ちた態度といたずら心は、どうしても美祈をからかいたくなるらしい。 「なによ、それ?ただのアプリでしょ?」と反論しようとした美祈だが、いつものように菜月の勢いに押し切られてしまう。
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