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「そうなのよ。ゼミの子が噂してるの聞いてね。幸せになりたいって美祈が言ったのを聞いて思い出してね。ちょっと調べてみたんだ。まぁ、願いが叶ったていう人もいれば、何も起こらなかったって書いる人もいるから、どこまで本当か分からないけどね。」
梨花は慎重に言葉を選んで、そう付け加えた。彼女は冷静で現実的な性格だが、美祈の夢見るような部分を否定することは決してない。
「う~ん。」
美祈はテーブルに頬杖をつきながら、スマホの画面をぼんやり見つめる。梨花が見せた天使チャットのアプリには、一瞬興味を引かれたものの、実際に願いが叶うなんて、どうせ嘘だろうと半信半疑だった。
「あれ?興味なさげだね?」
菜月がニヤリと笑って美祈を見つめる。
「さっきはあんなに幸せになりたいなんて叫んでたのに。」
「だって…」
美祈は少しムッとしながら顔を上げる。
「菜月には、彼氏もいるし、幸せになりたいなんて切実に思うことなんてないでしょ?私はね、切実なの!けど、あんなアプリで本当に幸せになれるのか、ちょっと疑わしいっていうか…」
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