魔除けの輪

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魔除けの輪

鮮やかな香りを密に集めた花をあなたへ 言いたいことは言い尽くしたから 伝える事は今更ない 満月が見てる下で、銀杏の葉が歩道に敷き詰められてゆく 踏みしめるたびに、カサカサと葉音が鳴る でも、まだ隣を歩いているだけで 瞳の声だけで 吐息だけで 心の囁きは聞こえる 葉っぱを足で蹴り上げたり 空からの微かな水滴の涙を鼻先で受けたり 心のテンションが変わるのが伝わる 自然と街の空気を吸い込むだけで 懐かしい 甘い密な香りがする そんな黄や橙の密な小花でできた 首飾りを 漆黒の体に魔除けのブーケ 長い尻尾で優雅に周りに匂いを振りまいて 悪い魔法から解き放つ、この一夜 たくさんの愛ときらめきを纏い お家に帰ってくる 幸福を引き連れてくる 君は、木犀星 綺麗な緑の瞳の守り猫
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