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テレビをつけます。しかし、私の好みの番組ではありませんでした。チャンネルを変えます。それでも、つまらないものが流れるばかりです。
いっそのこと、DVDでも借りてこようかと考えました。しかし、すぐにその必要はないことに気がつきます。
我が家には、いなくなった父の荷物が残されたままです。彼は映画鑑賞が趣味でした。複数のDVDが、彼の部屋だった場所に置いてあるはずです。いくつか拝借させてもらうことにしました。
部屋に入ってすぐに、棚に並ぶDVDを目にします。圧倒されるほどの数です。よく見ると、ジャンルごとに場所が分けられていました。左から、歴史、サスペンス、ホラー、SF、コメディといった感じです。長年放置されたそれらは、当然のことながら埃を被っていました。一部を除いて。
不思議なことに気がついたのです。DVDが並んだ棚の右下に、5,6個程のビデオテープが積まれていました。それらだけ、埃がついていないピカピカの状態でした。
一つを手に取ります。マジックペンで「人間コレクション壱」と記されていました。他のビデオテープも同様に「人間コレクション」と表記されており、弐とか参とかの数字違いのものが積み重ねられているようです。
リビングに戻りました。母は依然として、虚ろな目でテレビを見ています。私が手に持っているのは、「人間コレクション壱」。どうしても、中身が気になってしまいました。
VHSデッキとテレビをケーブルで繋ぎます。デッキにビデオテープを入れ、再生してみました。
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