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母の肩から血が溢れてきました。服越しでもわかる出血の多さです。とんでもないことをしてしまいました。焦りながらも、止血をしなければと傷口を確認するために服を脱がします。
ギザギザとした不自然な傷口です。そこから血が流れています。しかし、血だけではありませんでした。何か黄色いプツプツとしたものが混ざっています。
それらを見た瞬間に吐き気がピークに達します。嘔吐してしまいました。私の吐き出したもの、それにもまた黄色いプツプツとした何かが混ざっていました。大小様々な黄色い球体は、小刻みに振動しています。その中で、特に大きくて目立つ数個の球体には、眼球のようなものが透けて見えました。私はその目を知っているような気がするのです。記憶の中にある子供たちの目……。
吐き気が止まりません。遠のいていく意識の中で、幼い声が私にこう呼びかけました。
さて、お前は何者でしょうか?
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