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序章
人間の傍らでそっと息づく〝隣人〟たちの間で、まことしやかに囁かれている噂。
『黄金色の柔らかな光と薄霧が揺らめく森の小径。そこを抜けると、〝紅茶の化身〟のみが辿り着くことの出来る秘密の庭園があるらしいよ』
『黄昏と夜が混在しているようなその庭園に時間の概念はなく、また季節も無いようで様々な花が咲いているのだとか』
『誰が、何のために創ったのか分からないが。其処は【黄昏の庭園】と呼ばれているそうだ』
心が溶けるように甘いお菓子と、幸福に溺れるような紅茶を並べて。
〝紅茶の化身〟たちは、いつまでも、終わらない御茶会をしている。
そんな、御話。
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