憂々誤々

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目眩と戦いながらなんとか学校に辿り着いた僕は、トイレにこもっていた。理由は単純。吐き気がやばい。もう、酷いとかじゃない。やばい。これまで感じたことのないレベルの吐き気。死ぬんじゃないかと思った。いや、死にたいんだけどね。 このままじゃ朝のホームルームに間に合わなそうだな・・・と、そんなことを頭の隅の隅のほうで考えながら嘔吐。昨日の誕生日ケーキが出てきてとにかく不快。まさかこんなに吐き気が出るとは。もうちょっと楽に死ねると思ってたんだけど、やっぱり死ぬにはそれ相応の苦しみがあるんだなあと実感。そしてまた嘔吐。 「惑ー、早くホームルーム来いよ。始められねえんだけどー?」 友達が呼びに来てくれた。僕のせいでみんなを待たせているのか。それは申し訳ないからもう始めていてほしい。 「ちょっと吐き気がひどくて・・・みんなで始めておいて。」 そう言ってまた嘔吐。 「大丈夫かよ・・・保健室行けば?」 「保健室は・・・大丈夫、行かなくて。」 保健室に行って過剰摂取がバレたら自殺を止められるかもしれない。それは嫌だ。 「そ、そうか・・・なんか、お大事にな。」 さすがにちょっと友達には引かれたっぽい。そりゃあそうか。こんなに吐いてるのに頑なに保健室行かないのは異常者すぎる。 友達はもうホームルームに行ったようだった。安堵しているとまた吐き気に全身が侵される。 「おえっ・・・」 もう出るものもないようで、酸っぱい味が口内を満たす。胃液だろうか。 このあたりでやっと吐き気が治まったので、教室に戻ろうとする。時計は持ってないけど、チャイムがまだ鳴っていないから1限目には間に合うだろう。そう思って立ち上がる。 と、次の瞬間、僕はベッドの上にいた。
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