武器ハンターとの遭遇

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「冒険者?」  荒れた大地を揺るがすような低い声に、リンガはビクッとした。 「そんなもの、勘違い共の集まりだ。大した才能もない奴らが。武器を自慢しておきながら、それを使いこなす腕もない」  冒険者を目の敵にしている。もしかして、この偏見はコンプレックスの裏返しなのだろうか。  もう少しで、彼の行動の根っこの部分が分かりそうな気がした。 「……だからって、何も襲わなくても」 「俺は……俺の存在を知らしめる。そう、それが俺の目的だ」  ちょっとずれている気が、とリンガは首を傾ける。 「図に乗る冒険者共に現実を見せてやる。そして――」  ルーボスが剣を取り出した。やっぱり、冒険者をすごく意識している。 「国の全土に『武器ハンター』の名を(とどろ)かせる!」  フワッ、フワッ、と彼の足元から浮上する光の渦。レイズ。それに防御版レイズのプロテクト。臨戦態勢だ。 「……あれ? もしかして俺、また自分の首を絞めちゃった?」  ルーボス待って、と止めようとした時。 「素晴らしい!」  突然、武器の積まれた手押し車の陰から、小太りの男がヒョコッと飛び出した。石ころにつまずきそうになりながら、二人の元へ小走りでやって来る。 「途中から拝見しておりましたが、武器ハンター様、実に素晴らしい志をお持ちではありませんか!」 「アンタは?」  リンガが尋ねると、その身なりのいい小太りの男がにっこりと笑った。 「商人のマチャと申します。ハンター様、私が協力いたしますよ?」  
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