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「期間限定の同居生活なのはわかってるんだけど……」 「三年間なんて、あっという間だぞー」 「今日の築島、いじわるすぎ……」  築島の攻撃に耐えかねていると、俺を救うために彼は現れてくれた。 「(しゅう)」  クラスメイトと談笑していたはずの八木沢くんが、別グループの俺たちの元を訪れた。  テレビに映るときのキラキラとしたオーラを放ちながら、クラスメイトの俺と接するために声をかけてくる。 「放送部の場所がまだわからなくて……」 「今日、当番だったっけ……?」 「いや、当番は先輩たち」 「そっか」  高校に進学したのと同時に、一緒に放送部に入ることを選んだ俺と八木沢くん。  だけど、入学したての高校という校舎は迷宮といっても過言ではない。 「わかった、案内するよ」 「ありがと」  学業優先の毎日を送っているとはいえ、芸能活動と学業を両立している八木沢くんは校舎のことを把握する時間が圧倒的に足りていないのかもしれない。  俺は机から立ち上がって、母さんお手製の弁当を手に取った。 (八木沢くんとお弁当、お揃いだ……)  同じ家に住んでいて、同じ人に弁当を作ってもらっているのだから、弁当の中身に違いが出るわけがない。  そこまで母さんは工夫するような人ではないと知っているけど、知っているからこそを心で堪能することができるというもの。
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