35話 再びダンジョン

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35話 再びダンジョン

「わ、わわわぁぁっ。ちょ、ちょっとぉぉ〜わぁ〜っ。きゃぁ〜見ないでっ!!」  植物のツルに体を逆さ吊りにされて、ワンピースのスカートが捲れて、恥ずかしそうに手でスカートを掴みパンツを隠そうとしていた。  滅多に見れないアリアのパンチラが見れて嬉しいんだけど……そういう状況なのか? 随分と余裕そうだな……本体に気付いてないのか? 「そっちを見ないと、助けられないんだけどー」 「もぉ。見ないで〜! でも助けて〜」  はい。ウソつきました。見なくても助けられます。  アリアの周りをバリアで覆うようなイメージをして、そのまま近くへ転移で移動させた。  予想をしていたのか、驚いた声も表情もしていなかった。ただ恥ずかしそうに、俯き顔を赤くしていた。 「……ユウくん……見た? ねぇ。見たでしょ!?」  アリアが地面に座り込み、か細い声で聞いてきて、最後の方は俺を見つめて目を潤ませながら普通の声量で聞いてきた。 「……悲鳴が聞こえたら心配で見るだろ……べ、別に……変なパンツじゃなかったし、可愛かったから問題ないだろ?」 「ある! 恥ずかしい! ユウくんのえっちっ」  フンッ! という感じで、そっぽを向いた。それをジッと見ていたミーシャが触手に近づき、わざと捕まっているのが見えた。  はぁ……ミーシャは何がしたいんだ? 食べられてみたいとかか? 面白そうに見えたとか? 「ミーシャ。置いていくぞ〜」 「え? わっ、わぁぁぁ〜。ちょ、ちょっと待って〜えぇぇ〜♪」  足に絡んだツルが、ミーシャを逆さ吊りにして大きく動くと楽しそうな表情と声を出していたミーシャだった。  絶対に遊んでるよな……しかもパンツ丸見えでも気にしてないし。それを見てるアリアの方が慌ててあわあわしてるし。 「アリアちゃん、パンツ見ててるよっ!」 「え〜だって、逆さまなんだもんっ」 「ユウくん、助けて上げて、可哀想だよ」  ん? 可哀想? だれが?? 自分から捕まりに行って楽しそうにしているのに? でも、そろそろ食われそうだから助けるか。  同じ様にバリアで覆い、転移で近くに移動させるとガッカリした表情で戻ってきた。 「ミーシャ、次は助けないからなぁ……」 「はぁい……」 「食われたかったのか?」 「ん?」 「あの岩の陰から触手が伸びてるだろ? 口と牙があるだろ?」 「……え? やぁっ!! 食べられそうだったの!?」 「人間で言うと手だろ。食べ物を掴んだら、普通は食べるんじゃないのか?」  やっと理解をしたらしく青褪めていた。  多分、ミーシャなら余裕で勝てると思うんだけどな……。触手だってナイフで切れるだろうし、触手を避けながら本体に攻撃だって可能だろ? でもナイフじゃ止めは刺せないか。 「討伐をしておくか……」 「わたしが、やってみるっ」 「えっと、植物系だからって火はダメだよ?」 「え? 植物は火に弱いんじゃないの?」 「弱いけど……ここは洞窟だし、あのデカい魔物を焼く火力を出したら、俺たちも窒息して熱でもダメージを受けるって」  ま、バリアで熱を防いでれば良いだけだし、何故かバリア内は空気が尽きないんだよな。 「うぅ〜ん……やっぱり、ユウくんにお願いしする」 「魔法だと面倒だし魔力を消費をするから、バリアで簡単に刻んでおくね」  魔法より簡単なバリアを魔物の体の中に複数出現させ、魔物の体を複数に切り分けて討伐すると、緑で巨大な本体がバラバラという音を立てて崩れ落ちた。  「ユウくん、魔法の勉強をしようと思って交代って言ったんだよっ」 「あぁ……そっかぁ。魔法ならウィンドカッターが良いんじゃないのか?」 「風魔法かぁ〜」  アリアが納得をした表情をして頷いて、魔物だった残骸にウィンドカッターを放ち、残骸を見事に切り刻めた。 「だろ? 洞窟を壊す事も無いし、魔物も切り刻める威力もあるだろ?」 「うん。あまり使ったことが無くて。いつもは、目立たない基本の魔力弾にしてたから」  アリアの言いたいことは分かる。目立つと面倒だからなぁ……パーティへの誘いとか、教えて欲しいとか色々と。  巨大な魔石の回収をして再び歩きだすと、足元が悪く歩きづらい道が続いた。  ミーシャには足元が悪く、戦闘には不利だろうなと思っていたが、難なく跳躍し洞窟の壁や魔法でシールドを足場にして余裕で討伐をしていた。  これ程の戦闘センスがあるのか……昨日に比べても明らかに動きが良くなっているし、戦闘技術の成長を感じられる。 「えへへ……♪ また勝っちゃったぁっ!」 「随分と余裕で、勝てるようになってきたな」 「うんっ。あれくらい余裕だよっ。何度も戦ってるしっ」  あのなぁ……Aランクの冒険者パティが苦戦する場所らしいんだけど? ミーシャは、Fランクにもなっていないんだぞ。  それにアリアの方も、色々と覚えたいらしく今回は、魔力弾を封印して風、水、土魔法を色々と試し使っていた。  うん。アリアの方も、基礎がシッカリしているからアドバイスをすること無く安心して見てられるな。ん〜アリアはFランクだぞ? このパーティは俺も含めてだけど、おかしいよな。    先に進んだが特に強敵もいなく、大した事のない罠がいくつかあっただけで、財宝を大量に手に入れただけだった。  
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