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「――はっ!?」
目を覚ますと、そこはまだ電車の中だった。
手には読みかけの文庫本。丁度「僕」が、妻と親友の不貞の現場に出くわし、二人を包丁でめった刺しにしたところだ。
(この本のせいで夢を……見ていたのか?)
夢にしては生々しく残った手の感触に、思わず吐き気を催す。
今のは本当に、夢だったのだろうか? 分からない。あまりにも現実味があり過ぎた。
――そこでふと気付く。本にはまだ、数ページの続きがあるようだ。
「僕」は果たしてどうなったのか? それだけが気になって、僕は続きのページをめくった。
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