8人が本棚に入れています
本棚に追加
聖なる会堂
今宵、空に月なく星々は清か。我が一族の男たちは※『迷い星たちの導き道』が聖なる山の頂に現れるのを、その麓から見届けた。
星明りの下、我らは挙って聖なる会堂の聖餐室へと移動する。
そこには一族の伝統料理を盛った皿がところ狭しと並ぶ食卓が整えられている。一族の「留まる者たちの群れ」の女たちが丹精込めて作ったものだ。
ここは古より西アジアの砂漠に佇む我らが聖なる会堂――。
女子どもらはサンダルを脱いで別室に控えている。もう今頃は敷物の上に車座になって、寛いで食べているはずだ。
※天の河のこと。
最初のコメントを投稿しよう!