限界

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「なんか最近結城めっちゃ美人な人とずっと仕事してるよな。その時の雰囲気とかがめちゃめちゃ仲良さそうでさ。」 「そう…、なんだね。」 苦笑いして返事するのがやっと。 そう言われたらなおさら自信をなくしてしまう。 仕事でもきっと首藤さんは優秀で、仕事が忙しいからって絶対綺麗でいるための努力も欠かさなくて、そんな素敵な人なんだと思う。 最近話せてなさすぎてただでなくても情緒が不安定になっているのに、更に落ち込む。 「気にしなくていんだよ、紫月さん。」 そう慰めてくれる同僚達に「大丈夫」なんて笑顔を取り繕って手元のレモンサワーを口に運ぶ。 いつもなら少しのアルコールで酔えるのに、今日は全く酔えない。
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