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鏡の中は暗く、凍える程冷たい…。
「寒い……こんな風になる位なら、学校に行っている方が良かったかも…」
一方、鏡の中に居た「私」は、学校生活を謳歌していた。
「おはよう〜!!」
「あれ?いつも、そんなにハキハキしてたっけ?」
「何か良い事あった?」
「ちょっとね!!外の空気って、美味しい…!!」
「ただいま〜!!学校って、凄く楽しい!!」
「お帰り…なさい…」
「ねぇ…一日だけって言ったけど、外の世界が楽しいから…ずっと、このままじゃ駄目かしら…?」
「えっ…?」
恐怖で血の気が引いていく気がした…。
私の身体が小刻みに震えて…
「…周りに合わせるのが辛かったんでしょう…?」
「…なら良いじゃない…この身体を貰っても…ね…!!」
突如、女は目をカッと開き、私の目の前に顔を近付けて…
「ひッ…!!」
「いやぁぁぁぁぁーーー!!!!」
その鏡は、女の手によって割られ、私を恐怖と地獄の底へ突き落とした…。
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