片翼の天使

1/3
前へ
/3ページ
次へ
ここは楽園 天使と呼ばれる美しき者が集う場所 ミシエもここの天使の1人だった。 スラリと伸びた手足 純白の衣を纏い微笑みは慈悲に満ちている 翼は衣と同じように純白で繊細であった。 「ミシエ、またあいつのところへ行くのか?」 イリルもまた、手足がスッと長く 純白の衣と翼が美しい天使である。 「うん。不自由してないか心配で。」 「優しいな」 ミシエの絹糸の様に細く柔らかな髪を撫でる。 「イリルも行く?」 イリルは金色(こんじき)の瞳で見下ろす様に見つめると 「行かない」 そう言って、音も立てずに広げた翼を上下させると ふわっと行ってしまった。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加