はじまりの物語

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いつもは誰かしら褒めてくれる【答え】 に普段は優しい彼女が褒めてくれないのを 少し不思議に思ったがそれを問う程 この子供達は利口ではない。 彼女の少しの変化にも気付かず 子供達は自分の話を進める。 「うん!!お姉ちゃん!!早く次の絵本読んでよー!」 「早く早くー!!」 だけど、そんな子供達を可愛らしく思っている 彼女は眉毛を垂らし少し残念そうに笑った 「ふふ…残念だけど、今日はおしまい」 「ええぇぇぇぇ〜!!!!」 当然のように不満を漏らす子供達。 今日はほとんど例の授業のような 絵本を聞かされただけなのだ。 「ごめんね?貴女達の怪我も治療したことだし、 そろそろ薬の準備もしないといけなくて…」 そう、彼女は学校の先生でも この子達の母親でもない。 ただの薬師の旅人だ。
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