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第7話 勇者パーティの失態、王国の怒り
その頃
勇者リュカを追放した勇者パーティの方では
ルーンフェル王国の広間は
冷たい緊張感に包まれていた。
勇者パーティのメンバー
ガレス、カトリーヌ、リカルド、そしてフロリアンは
これまで何度も突破してきたはずの
ダンジョンを攻略できず
今まさに王国の高官たちから
厳しい叱責を受けている。
「なぜ
あの程度のダンジョンも攻略できないのか?」
高官の一人が冷ややかな声で問い詰める。
「勇者パーティともあろう者が
これでは国民に顔向けできんぞ!」
ガレスは険しい表情を崩さない。
「申し訳ありません
国のために最善を尽くしましたが……
今回のダンジョンは予想を
遥かに超える難易度でした」
「言い訳だ!」
別の高官が激昂する。
「我々が命じたのは
追放したリュカがいた頃には
十分クリア可能なダンジョンだ
それを
今になって攻略できないなど
国民の信頼を裏切るものだ!」
フロリアンは不安そうな目でガレスを見る。
フロリアンの心には
疑問が渦巻いていた。
「どうして
こんな難しいダンジョンを
命令してくるのかしら……」
そう呟いたフロリアンの声は小さかったが
ガレスにははっきりと聞こえた。
ガレスは唇を引き締め
仲間たちを見回した。
「文句を言っても仕方がない」
声に力を込めながらも、その心の奥底では、
(勇者のリュカがいれば
きっとこの難題を乗り越えられたのに)
という思いが浮かんでいた。
しかし同時に
(だが、王国の人々はリュカを受け入れるのは難しいだろう。彼がいれば、かえって混乱を招くかもしれない)
ガレスの心境は、複雑なままだった。
リュカは
『エクリプス・ノヴァ』
という強大なスキルを持っていた。
仲間たちはその『闇魔法』に恐れを抱き
リュカを追放する決断を下したが
今となっては
その決断が正しかったのか
ガレス自身も疑問に思うことがある。
「ガレス
今はどうしようもないわね……」
カトリーヌが静かに言った。
カトリーヌの紅髪は
厳しい叱責の嵐の中でも堂々と立っていたが
その表情には疲れがにじんでいた。
リカルドは明るさを失った口調で
「まあ、次はうまくやろうぜ」
と言ってみせた。
最終的に
王国の高官たちは
さらに厳しい言葉を投げかけた。
「この失態
どう国民に説明するつもりか?
次は絶対に成功してもらうぞ!」
ガレスたちは肩を落とし
黙って広間を後にした。
彼らは個々の部屋に戻るが
心の中にはそれぞれの思いが交錯していた。
ガレスは重く沈む心を抱え
リュカの存在が今なおパーティに
影を落としていることを改めて実感したのであった。
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