第72話 最後の決戦、覇王騎士団の猛攻

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第72話 最後の決戦、覇王騎士団の猛攻

ブラッドハートの鋭い号令が響くと同時に 覇王騎士団の全員が一斉にリュカたちへ 向かって突進してきた。 リュカは冷静に剣を構え ブラッドハートの突進を受け止めるように迎え撃った。 炎の剣を振るうブラッドハートの一撃は重く 剣から立ち上る炎の熱気がリュカの肌に押し寄せる。 リュカは冷静にその一撃を受け流し 互角の戦いを繰り広げた。 鋭い斬撃が何度も交わされる中 リュカはそのたびに炎の熱波を受け 周囲の空気が揺れるほどの熱を感じながらも 全神経を集中してブラッドハートの動きを見極めていた。 「さすが勇者 見事なものだな!」 ブラッドハートが熱に満ちた声で挑発する。 「お前もな…だが ここで終わりにしてやる!」 リュカが気合いを込め 剣にさらに力を込めると 二人の剣が火花を散らしながら激しくぶつかり合う。 その間 他の勇者パーティのメンバーもそれぞれの敵に挑んでいた。 エリナの相手は 重厚な鎧をまとったアリアだった。 アリアは大地の力を操る巨体の戦士で その腕力と防御力は圧倒的だった。 エリナは素早い剣技で対抗しようとするが アリアの一撃は重く 剣で防いでも腕に衝撃が響く。 エリナは何とか立ち回りながら攻撃を繰り出していくが 相手の体力と攻撃力が桁違いで 次第に押され始めていた。 「ふふっ もっと力を込めた方がいいんじゃないか?」 アリアが冷笑を浮かべながら エリナに地震魔法で大地を揺らし バランスを崩させようとする。 エリナは揺れる地面の中で何とか踏みとどまりながらも 「そんなこと言って 油断したら痛い目を見ることになるわよ!」 と気を引き締め 剣を振るう。 一方 レヴィアタンは優しい笑みを浮かべながらも 凄まじい水の魔法で勇者パーティのカトリーヌを圧倒していた。 カトリーヌが炎の魔法で対抗しようとするも レヴィアタンの水魔法の前ではあまりにも相性が悪かった。 レヴィアタンの水の攻撃は迅速かつ的確で カトリーヌの動きを封じるように水の刃が飛び交う。 「おやおや まだ戦う気力があるのかい?」 レヴィアタンは穏やかな口調でカトリーヌをからかいながらも 冷徹に水の魔力を操り続ける。 カトリーヌは必死に立ち向かうが レヴィアタンの攻撃を受けるたびに体力が削られていき 次第に動きが鈍くなっていった。 「くっ…… 思った以上に強いこんなところ だが、ここで覇王騎士団は終わる!で 負けるわけには…… 思った以上に強い! だが、ここで覇王騎士団は終わる!」 リカルドは弓を構え 敵のセレスティアを狙っていたが 光の魔法に遮られて一向に攻撃が通らない。 セレスティアは聖なる盾を展開し リカルドの攻撃を防ぎつつ 回復魔法で味方を援護していた。 「あなたの攻撃は通じないわ どうせ無駄なのだから 諦めたらどう?」 セレスティアは静かな微笑みを浮かべながらも リカルドを一歩ずつ追い詰めていく。 リカルドは何とか射撃を続けようとするが 相手の防御力と回復魔法の前では完全に歯が立たず 焦りが募るばかりだった。 そして ガレスは神秘的な戦士 メテオと対峙していた。 メテオは重力を操り 空中を自在に移動しながら 隕石のような巨大な岩を次々と降らせていた。 ガレスはその隕石を剣で弾こうと試みるも あまりに強力で次第に追い詰められていく。 「重力魔法に挑むとは…… 無謀だな」 メテオは静かにそう呟くと さらに重力を増幅させ ガレスの動きを鈍らせた。 ガレスの体に強烈な圧力がかかり 足元が地面に沈み込むように動けなくなってしまった。 「このままでは…… 思った以上に強い! だが、ここで覇王騎士団は終わる!」 ガレスは必死に剣を握りしめ なんとか体勢を立て直そうとするが 相手の重力の前では無力だった。 最後に アビスが死霊術を駆使して勇者パーティに呪いをかけ 次々に死霊を召喚して襲わせていた。 リュカの仲間たちはその不気味な術に苦しめられ 動きが鈍り 次第に力尽きていく者も現れ始めた。 リュカとエリナはなんとか戦線を保っていたが 他の仲間たちは次々と力を失い 一方的に倒されていく状況だった。
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