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ある日夫が鉢植えを持って帰ってきた。
「お土産だよ」
これって今日は何か特別な事でもあったかしら?
手のひらに乗るほどの大きさの小さな植木鉢。赤紫の蘭のような小さな花が咲いてる。
夫は、近くの建設会社の経理をしている。
終戦後。私たちは女性が体を売る店で知り合った。夫は用心棒と経理。私は経理だった。
綺麗なサロンで上客しか来れないような店。もめごともなかった。
そこを閉める時には、家土地を手に入れても裕福に暮らせるくらい貯めることができるくらいだった。
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