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夫の棺に私の本と一枚の押し花を納めた。夫の本は私が貰うことにした。
「ちゃんと持っていってね」
夫は煙と共に空へ昇っていった。
⭐⭐⭐
さらに時が過ぎ、充分生きた。まさか、ひ孫の顔まで見れるなんて。
ごめんなさい。私は生まれ変わったら、迷わずあの人を選びます。
私は夫を愛していた。
許嫁のことを忘れるほど、幸せな時間だった。私だけ生き残り幸せになってしまった。
他の男との子を、我が子として大切に育ててくれた。だから息子は夫と話し方も仕草も、歩き方も似ている。
ただ、許嫁には申し訳なく思う。私だけ幸せになったこと。
でも、私は精一杯生きて、愛し愛された。
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