あなたのお土産

　あれから、あまり手を掛けずとも毎年咲いていたのに、アブラムシがついてしまい花は枯れてしまった。
とくにあの後調べることもなく、夫も特に気にしていなかった。

　多くの月日が経ち、子どもたちが成人して、社会人になった。

　「少し山歩きでもしてみないか？」

　突然夫が言い出した。
私が昨年、脚を骨折してなんとなく違和感がなくならなかったからだ。
医者から歩くよう言われ、近所を2人で散歩していたが、四季ごとにご近所の庭が色とりどりなのを楽しそうに夫は見ていた。

　2人で歩くのは楽しかったし、違う景色も見たいという夫の話しに、私は体の事もあって月に１度近場の山々を散策した。