エンジェルネーム

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わたしの名前は木内天使(エンジェル)。 エンジェルだなんて キラキラネームにも程があるわよね。 小学生の頃、よくからかわれていたわ。 いじめられることは無かったけれど 私の名前が呼ばれると皆笑う。 それがわたしは一番嫌だった。 だから、 わたしは母に言ったの。 「どうしてエンジェルなんて名前にしたの?」 「親にとって子供は天使みたいなものよ。 生まれたばかりのあなたは天使のように 可愛くてね」 母は当時を思い出したのかふふっと笑みをこぼす。 小学生のわたしは だからってそんな名前をつけなくてもいいじゃん って思ってた。 だけど出産を機にその考えは変わる。 生まれたばかりのあなたは 強く抱きしめたら壊れてしまいそうなほど 小さな体をしていて力強く泣いていたわ。 それはまるで生命の輝き。 ただただ貴女が愛おしくてたまらなかった。 だから、わたしはあなたにこう名付けたの。 美華永留(ミカエル)。 だから、どうか怒らないでね。 小さなわたしの天使ちゃん。 これからママと一緒に楽しい時間を過ごそうね。 大好きよ。 わたしは眠っている天使の額にキスを落とした。
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