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早く戻ってきてくんないかな、ゆうちゃん。
軽くキッチンの方を見ると、ゆうちゃんは少し気まずそうな笑顔で笑っている。
向こうも状況は変わらないらしい。
何より久しぶりだし、尚更からかわれてるんだろうな。
今年は初めての二人きりの年末年始を過ごしたかったけど、お互い家族を邪険にすることは出来なかった。
しばらく話し続けると、手伝いを終わらせたゆうちゃんが俺の隣に座ってくる。
「お疲れ様」
ゆうちゃんはうんと頷くと、テーブルにおいていた飲み物に口をつけて、テーブルに戻した後手を床においている。
俺はその手の上に自身の手を重ねた。
周りからは死角になっているので当然見られていない。
ふとゆうちゃんを見ると顔が少し赤くなっていた。
これだけのことでそんな顔するなんて可愛くて仕方ない。
手を重ねるだけでそんな反応、今までのほうがもっと深く触れ合ったりしているのに。
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