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仕方なく手を繋ぐだけで我慢する。
今日の映画は恋愛映画で普段は本当に興味ないけど、俺としてはゆうちゃんと居られれば何でも言いし黙って隣で見ていることにした。
映画を見ている時のもう一つの楽しみがあって、ゆうちゃんの表情がコロコロ変わる。
少しだけ羨ましそうな表情したりとか、楽しそうに笑ってたりとか、感動した場面で少し泣きそうになっていたりとか。
映画をメインというより俺は映画を見ているゆうちゃんを見ているのがメインだった。
「(本当感情豊かで可愛い。)」
日本の恋愛映画でも海外映画ほどの激しい濡れ場はなくてもキスをしたりとか、そんな場面も出てくる。
ゆうちゃんはそんな場面が出てくるとその度に俺の存在を気にして気まずそうにしている。
そんな態度取られたら何かちょっかい出したくなってくるな。
むしろ欲情させられる、その態度。
ゆうちゃんの顔をこちらに向けさせて、少し強引に唇を塞ぐ。
「んっ!?」
驚いた態度を取るゆうちゃんに止めてあげることは出来なくて、そのまま少し強引に押し倒す。
「瑞希!映画!」
「今度DVD借りてきてあげるから。」
そう言って髪を撫でると、ゆうちゃんはうっと言葉を詰まらせて顔を真っ赤にして俺を見ている。
俺のお願いにはいつも抗えない。
そんな彼女が今日も愛おしい。
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