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▼ △ 「なんか私…………麻痺してるかも……」 「え。どういう症状?」 「や、普通に受け入れちゃってたけどさ…… 休日に。会議室で。[餅つき]やる会社って、何?」 「ねー。しかも、本格的やし。 おかげで重労働っすよ」 「あは。すっごい喜ばれてたね、神崎くん。 貴重な男手だって」 「俺ら以外の若手、誰も参加してへんもんなー。 モテモテで困ってまいますわ」 「嬉しー?」 「いや、そんなに」 「あ、そーいえば。一昨日にさぁ。 別フロアの女の子から、神崎くんのこと聞かれたよ」 「え。何を」 「『好きな女の子のタイプは?』だって」 「……それ、先輩はなんて答えたん?」 「それはもう、正直に……」 「しょ、正直に…………………?」 「『知らない』って」 「そうですよねー」 「その子を大変ガッカリさせてしまったよ。 本当は、なんて答えるべきだった?」 「え」 「神崎くんって、なんとなくだけど……年上好きそうだよね」 「え゛」 「イメージはねぇ。 スラーっとしてて、黒髪ショートカットで、口元にホクロがあるような……"the セクシー"って感じ」    「……びっくりさせんといて。全然ちゃうよ」 「そっかぁ。良いセンいってると思ったのに」 「……あれです。 よく言う『好きになった人がタイプ』ってやつ」 「ほぉ。それなら、どっちみち参考になりませんなぁ」 「ある意味、正解でしたね」 「あ、それでね。 その子が『今度、連絡先聞きにいく』だって」 「へぇ……」 「嬉しー??」 「……ノーコメント」 「私から教えてもいいかわからなくて、伝えなかったんだよね。神崎くんの連絡先」 「当たり前でしょ。他人に教えるの禁止っすよ」 「よかった、正解だった。 やっぱり直接聞いてもらった方がいいよね、絶対」 「先輩……モチ、焼かんの?」 「えー。流石にお腹いっぱいだよ」 「……ほんまズルいわぁ。 俺にばっか、焼かせてさ」 ▽ ▲
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