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▼ △ 「先輩、こっちにめっちゃ大きいヤツありますよ」 「…………」 「お。これとかどうすか?ヘタ近くまで真っ赤」 「……………………」 「……無視やし。流石に真剣すぎん?」 「……………………神崎くん」 「はい」 「ここは戦場だよ?」 「はい?」 「戦わなきゃ! 誰よりも多く、美味しいイチゴを食べるために!! 私の後ろをヨチヨチ着いてきてる場合じゃないんだよ」 「うちの部署の人でそんな闘志燃やしてんの、先輩ぐらいっすよ」 「というか、1個も食べてなくない? ヘタ入れ空じゃん。 あ……ヘタまで食べる派?」 「いや、ナイでしょ。そんな派閥」 「とにかく食べてみなって!」 「ええんすよ俺は。見とく派」 「それこそナイよ。 神崎くん、ちょっと屈んで」 「なんすか」 「はい。"あーん"」 「え゛」 「ノリ悪いなぁ。口開けてよ」 「……いやいや。先輩、そんなんするキャラちゃいますやん。 どんなけテンション上がってんすか」 「もったいない精神?」 「わーありがてぇー……」 「食べないの?」 「…………食べる」 「じゃあ、ハイ。一番おいしそーなのあげるから。 "あーん"しなっ」 「………………」 「どう?最高でしょ」 「うん…………もはや味わからんけど」 「え。あれ……。うそ、やばいかも。 神崎くん、もしかして……」 「……何?」 「いちごアレルギー!?」 「え。ナイよ、そんなん」 「でも……顔赤いよ?」 「チガウ。擬態してるだけ。周りの景色に合わせて」 「なにそれ。無利益にも程がある」 「……そんなことより、早くした方がええんちゃいます? 持ち帰り分も選ぶんでしょ」 「え、後何分?」 「10分ないくらい」 「ヤバいじゃん! ねぇねぇ。もう食べないならさ、 美味しいやつみつけるの手伝ってぇ」 「頼まれなくても助けてあげますよ。先輩のことは」 「すご。後輩の鑑だね」 「…………」 ▽ ▲
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