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《エピローグ》
かの東にある国、フェイタル・ドーズ王国では多くの者が挙式を挙げる。それは同性でも結婚が可能であり、皆幸せに生活をするからだ。そこに偏見などない。愛こそがすべてなのである。
ただ一つ、厄介なことがある。……それは、フォークと呼ばれる後天性の病気が発症すること。
フォークの性質になった人間はケーキと呼称され生まれ持った人間を無作為に食らう。それがパートナーではなくても、パートナーであってもだ。
人々の幸せのために牧師を多く雇ったが、フォークとなった人間がケーキである人間を食らうのを恐れ、――人々は近寄らなくなってしまった。
フェイタル・ドーズ王国の国王ならびに牧師たちは力を合わせ、フォークに対抗する警備体制を極め……見事にフォークを見極める力を持つ者たちを牧師の助手として加えさせた。
そのなかでひときわ目立ち、フォークに対する恨みがある青年はフォークを抹殺するために黒目を輝かせ、チャイナ服を纏う。
彼は肉も血も欲しているというのに。
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