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「泉のこと…、好き、なんだけど。」
見つめあった瞳がパレードの訪れとともにキラキラと輝く
喧騒の中でも高良くんの声だけが何故だかクリアに聞こえた
「なあ、俺と同じ気持ちじゃねえの?」
すごく近い距離で高良くんがあたしへと問いかける。ドキドキしすぎて心臓が今にも飛び出してくるんじゃないかって、そんなことを心配するくらいうるさい。
いまだ逸らすことのできないその綺麗な瞳が、好きだなって思った。
他にも、数え出したらキリがないくらい、いつのまにか好きだなって思うところが沢山増えていた。
こんなのもう、認めるしかない。意地になる必要なんてどこにも無いじゃん。
パレードがはじまって、人々の視線はそっちに釘付けなのに、あたしたちだけ互いの目を見つめあったまま、時が動かない。
「…うん、、好き。」
その言葉を発した瞬間、勢いよくあたしよりも大きな腕の中に体が包まれる。
早鐘を鳴らす心臓の音は、どっちのものなのか。
多分これはふたりの音だ。
「泉、好き。めちゃくちゃ好き。俺の彼女になって。」
甘い囁きがあたしの鼓膜を揺らした。
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