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学校のチャイムが鳴ると、一目散に家への道を走る。今日は珍しく追いかけてくる連中はいなかった。僕は自分の部屋へと急ぐと、机の上に置いておいた本を手に取る。盗んでしまった罪悪感はあるが、好奇心がそれを上回った。僕は本を捲った。またあの時の様に心が身体から離れる感覚が襲う。やはりあの時と同じ様に心が分離し、剣を持った主人公への元へと同化した。 「僕の名前は誠。竹中誠だ」  僕は剣へと自分の名を告げる。 「よかろう、誠。我と共にこの世界を救うのだ」  こうして僕は伝説の剣を手に、この世界のあらゆる場所を冒険することになったのである。
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