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クレオパトラは激怒した
クレオパトラは激怒した。必ず、あの忌々しい男に復讐しなければと決意した。
現代日本に生まれ変わっても、クレオパトラはやっぱり絶世の美女である。そして波瀾万丈すぎる前世ではできなかった、ゆるゆる高等庶民ライフを謳歌している。すなわち丸の内OLである。都内の名門私大を出て、都内の大企業でほどほどに働いて、夜は存分にはっちゃける。
ファラオの重責とか政治のイザコザとか、そういう面倒なものから解放されたクレオパトラは、商社マン達との合コンで無双し、男と遊んで暮らしてきた。
けれども前世の自身が叩かれることに関しては、人一倍に敏感であった。
今日は大学生との合コンだった。クレオパトラこと倉井晴奈は、普段年下に興味はなかった。だが今回は日本最高峰の大学に通う、若き原石達との合コンである。未来ある若造と遊んでやるのもたまにはいいわよね、なんて軽い気持ちでやってきた。
「晴奈さんめちゃくちゃ美人ですよね。こんな美女と出会えて俺、感激です」
「ありがとう。君みたいな賢い男の子に褒めてもらえて嬉しいよ」
「君たち、晴奈の美貌に惑わされちゃだめよ。この人、気に入った男はすーぐお持ち帰りしちゃうんだから」
「え!いいな!俺もお持ち帰りされたいです!」
「よっ!晴奈さん!現代のクレオパトラ!」
よくわかってるじゃない。
晴奈はとっても上機嫌だった。現れた4人の男子大学生達は晴奈の予想を遥かに上回るイイ男だったし、流石に賢いだけあって年上の女達をうまく持ち上げてくれる。
晴奈は浮かれていた。彼がその発言をするまでは。
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