群青に溶ける

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「ちょくちょく電話はしているけど、お母さんは元気?」 「うん、仕事忙しいみたいだけど元気だよ。ばあちゃんに、よろしく言っておいてって」  お土産のお菓子と紅茶をいただきながら、翠の近況を訊いた。  大学は法学部に通っており、九月末まで夏休みなのだそう。東京はいつまでも茹だるように暑くて、北海道に来て初秋を感じて、やっぱり日本は縦に長いんだなと実感したと話した。  翠はそう言うが、ここ数年は北海道も猛暑の日が増えて、自慢の爽やかな夏はどこかへ行ってしまって戻ってこない。  地球温暖化のせいで、この先またさらに暑くなっていくのだろうかと、今の若い世代の将来が心配になる。 「それで、いつまでこっちにいるの?」  年金暮らしで何も予定のない私は、いつまで居てくれたって構わないのだけれど……。 「五日間かな……いい?」 「もちろん! ずっと住んでくれてもいいよぉ~」 「それはさすがに、大学通えなくなるって」  私の冗談交じりの本音に、翠はケラケラっと笑って返した。  
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